【マイレース開発記録(2)】占星術×レースという発想
マイレースは占星術をベースにしています。
けれど私は、
ホロスコープをそのまま表示するアプリにはしたくありませんでした。
- 天体の角度
- アスペクト
- ハウス
- サイン
専門的で、情報量が多く、
初心者にはハードルが高い。
さらに、占い結果を「文章で断定する形式」にも違和感がありました。
「今日は恋愛運が最高潮です」
「今日は失敗しやすい日です」
そう言われると、人は無意識に“従ってしまう”。
私は、
断定する占いではなく、眺める占いを作りたかったのです。術を“そのまま”出したくなかった。
抽象概念を”動き”に変換できないのか?
そこで考えたのが、
占星術の抽象的な概念を
もっと直感的な動きに変換できないか?
ということでした。
占星術には、
- トランジット(外側の天体の動き)
- ネイタル(生まれ持った配置)
- 位相差
- 周期(フェーズ)
といった、時間変化を含む構造があります。
これは、
状態が常に揺れ動くモデルです。
それならば、
- 数値を表示するより
- グラフを出すより
「動くもの」として見せた方が自然ではないか?
そう考えました。
なぜ”レース”だったのか?
いくつかの候補がありました。
- 波の高さで表す
- 温度で表す
- 光の強さで表す
でも、どれもどこか一方向的でした。
そこで思いついたのが、
「それぞれのテーマが同時に走ったらどうだろう?」
という発想です。
仕事・恋愛・健康・金運・勝負。
人生のテーマは、
常に同時進行で動いています。
ある日は仕事が先行し、
ある日は恋愛が先行する。
それは優劣ではなく、
“今日どこが前に出やすいか”の違いです。
それを表現するのに、
レースという比喩はとても自然でした。
スピードとジャンプの二軸
いくつさらに私は、
単純な順位表示にはしたくありませんでした。
なぜなら、
速い=良い
遅い=悪い
という評価構造を作りたくなかったからです。
そこで二つ目の軸を追加しました。
- スピード = 外の流れとの相性
- ジャンプ = 内側のリズム(感情やエネルギー)
この二軸を掛け合わせることで、
- 速くて跳ねる日(追い風)
- 速いけれど跳ねない日(慎重)
- 遅いけど跳ねる日(楽しさ重視)
- 遅くて跳ねない日(整える)
という「ゾーン」が生まれました。
ここで初めて、
評価ではなく“状態の分類”ができるようになったのです。
モデルとしての占星術
占星術は科学ではありません。
けれど私は、
- 周期
- 位相差
- 相対角度
といった概念を、
時間変化を持つモデルとして再構成できるのではないか
と考えました。
実際、マイレースでは
- 天体間の角度差を速度に変換
- 周期をフェーズとして正規化
- 条件分岐でゾーンに分類
という形で実装しています。
つまりこれは、
占いアプリでありながら、
一種の状態遷移モデルでもある
という構造です。
発想を「構造」に落とす
このプロジェクトで私が意識したのは、
- アイデアを思いつくこと
- それをロジックに落とすこと
- 再現可能な形にすること
です。
発達特性の影響で、
私は抽象的な発想が先に膨らみやすく、
構造化が後回しになる傾向があります。
だからこそ今回は、
AIとの対話を通じて、
- 「それはどういう条件?」
- 「何を数値に変換する?」
- 「判定基準はどこに置く?」
と問い直しながら、
発想をロジックへと変換していきました。

次回予告
とはいえ、
最初からきれいな構造になったわけではありません。
むしろ、
- 速さの計算式が迷走し
- ゾーンが増えすぎ
- ロジックが破綻し
設計は何度も崩れました。
次の記事では、
として、
理想と実装の間で揺れ続けた設計初期の混乱を書いていきます。



